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東京新聞

私の修行した僧堂は神戸でした。老師の隠侍をしていた時のお話です。

朝四時に起きて、朝課が終わりますと五時ころになります。老師が真っ先に読まれるのは新聞です。

 

夏は明るいのですが冬は全くの暗闇をポストまで大急ぎで駆けて取りにいきました。老師は全国紙と地方紙の神戸新聞を読まれておりましたが、なぜ地方紙を読まれるのか正直、合点がいきませんでした。

 

先日、東京新聞が高歩院のことを掲載してくださいました。それを読んでよくわかりました。老師はこういう日常を見逃さないようにしていたのだな、と。神戸新聞は一度も遅れて配達されたことはありませんでした。